メンタルヘルス

三島由紀夫「しかし肉体には、機械と同じように、衰亡という宿命がある。私はこの宿命を容認しない。」 DSM-IV「自己愛性人格障害をもつ人は、加齢とともに避けられない肉体的、職業的限界の出現に適応することが特に困難である」

DSM-IV-TR[14]は「自己愛性人格障害をもつ人は、加齢とともに避けられない肉体的、職業的限界の出現に適応することが特に困難である」としている。DSM流には、三島由紀夫は加齢とともに避けられない肉体的限界の出現に適応できなかった、と言える。 いや、適…

境界例(境界人?)っぽいものアレコレ

境界例っぽい(と個人的に思う)もの(人、作品など)アレコレ (根拠は示さず…) J・D・サリンジャー カート・ヴォネガット 太宰治 ヘルマン・ヘッセ グノーシス主義 カタリ派 『地下室の手記』 『タクシードライバー』 華倫変 山田花子(漫画家) 『少女椿…

動物虐待の心理学・精神分析

(『NCIS:~ネイビー犯罪捜査班 シーズン18 』「第10話 番犬」) 関係ありそうな引用の羅列 犯罪において、加害者は加虐-被虐的関係を下敷きとして加虐的部分に同一化する。加害者自身が無意識に憎む自己の部分は、犠牲者に投影され攻撃される。殺人=対象…

ラカン派界隈

症状の一般理論以降、ラカンは症状が持つ「象徴的意味の側面(症状の意味)」より「現実的享楽の側面(症状の根)」を重視する。精神分析がかなり進んでも人が症状を手放そうとしない理由は症状が持つ「現実的享楽の側面(症状の根)」に他ならない。 http:/…

植松聖 「融和された自己を維持するために周囲の人々からの特異的な応答を必要とする」自己愛性パーソナリティー障害の人

Kohut(1971、1977、1984)は、自己愛パーソナリティ障害の人は、融和された自己 cohesive selfを維持するために、周囲の人々からの特異的な応答を必要とする段階で発達停止 している、すなわち葛藤ではなく欠損が原点にある、と考えている。彼らは、これら…

【メモ】ジョン・シュタイナー『こころの退避』

抜き書き②ジョン・シュタイナー/「こころの退避」(1) - complain too much ヨシアキ @yoshiakiiiiiiii 00:00 これらの状況の重要な特徴は、患者は将来について頭がいっぱいであるということである。彼の現在の苦しみはマゾキスティックに耐えられているが、…

【メモ】原始的防衛機制

カーンバーグによる? 分裂 スプリッティングと呼ばれる。自我が弱い場合、状況のあいまいさや複雑さに耐えられない。そこで、どちらかの極に片寄せて、状況や相手を割り切ることで解決する。疑問や迷いを排除するために表象(イメージ)を分割しておくのが…

「Putting the Boot In Violent Defences Against Depressive Anxiety」Robin Anderson (「弱いものに蹴りを入れる 抑うつ的不安に対する暴力的防衛」ロビン・アンダーソン)

google翻訳などで… https://www.taylorfrancis.com/chapters/edit/10.4324/9780429479410-4/putting-boot-robin-anderson 蹴りを入れる抑うつ的不安に対する暴力的防衛ロビン・アンダーソン 導入この章では、特定の患者が抑うつ的な罪悪感や不安の感情を自覚…

加藤敏『職場結合性うつ病』 ハンス・アスペルガー クラーゲス

筆者は現代社会自体が、人間にそなわる自然な感情(情動)と直感を排して、量と論理をなによりの思考の基準とする「操作的思考」が優位になっている点で、アスペルガー症候群に親和的な布置をもっていることを、ハンス・アスペルガーの原典にあたりながら最…

マゾヒスティック・パーソナリティ

・臨床像 苦しんだり不平を言ったり自己破壊的であったり自分の価値を低くみたりする態度を強調し、自分の痛みを通じて他人を苦しめようとする無意識的願望がある。母性は本来、マゾヒスティックで、若い個体の幸福を優先する。単に痛みを好むことを意味して…

強迫性パーソナリティ

①認知的防衛ー 感情というものを子供っぽさ、弱さ、コントロールを失うこと、秩序の崩壊、不潔なものと結びつけて価値下げし、感情、身体感覚、ファンタジーを苦手とする。忙しさによって感情を避け、自分の優しい面は不安と恥を伴わずにはおえない。 in and…

「禁止」を解除することの危険性とニーチェの狂気

もう一つ,「自己啓発セミナーの危険性」論文を紹介しておこう。この論文 が「主体の他者依存性」概念のもつ批判力を表現しているからである。自己啓発セミナーは,親との関係で獲得し内面化した道徳的禁止や理想が心理的問題を生み出していると考える。だから…

「境界例は拘束を嫌う」という話と、ひたすら「自由」を求めつづけたウィリアム・バロウズの寂しい晩年

林公一『境界性パーソナリティ障害 患者・家族を支えた実例集』 という本に「境界性パーソナリティ障害の人は強く『自由』を求めるが患者にとって『自由』は有害になる場合が多い」というようなことが書いてあったような… 自分こそ彼(彼女)の治療者になろ…

境界性パーソナリティ障害っぽい人が減少している(ように見える)理由

いや、「本当に減ってるのかよ!」というツッコミはあると思うのですが、減少しているという前提で話を進めると、 しかし21世紀に入ると,境界性パーソナリティ障害(BPD)を外来で見かける機会が急に減ってきました。入院患者数も,減少したと言われていま…

太宰治『桜桃』 D.W.ウィニコット『人間の本性』

・躁的防衛 健康な発達に必要なことは、ある種の真面目さ、自己について疑いをもつこと、黙想に浸る時間を必要とすること、一時的に希望のない局面に陥りやすいことなどがある。抑うつは潜在的で、人格の中核にあり、ある種の真面目になる能力として表面化す…

モラトリアム・アイデンティティ拡散症候群としての陰謀論者

モラトリアム(アイデンティティ拡散症候群)とは下記のような精神病理の症状がある。 ①「自分は…である」という社会的自己(アイデンディティ)の選択を回避し、際限なく決着を回避する心理状態に取りつかれる。 ②過剰な自意識にふけり、全能で完全な無限の…

リセット願望

Erikson(1959)は、境界例の人が自身の “ 同一性 ” が不確実な状態に陥ると「自我は、感 覚上の伴侶であると同時に、自己の連続的な “ 同一性 ” の保証人である他者との融合のなかで、 性的、情愛的な感覚に自分の身を委ねる柔軟な能力を喪失し突発的な虚脱…

>もし「憧れ」から理想化の距離が失われたとしたら、憧れは純粋の羨望へと変化し、その関係は崩壊の危機に瀕する。

❝もし「憧れ」から理想化の距離が失われたとしたら、憧れは純粋の羨望へと変化し、その関係は崩壊の危機に瀕する。❞憧れの病理-いわゆる「境界例症例」を巡って 鈴木國文https://t.co/FJTAkus811近頃、「憧れ」が「純粋の羨望へと変化し」た末に起きたように…

「養子になった子供は、愛されるだけでは不十分なことも多く、憎まれていることを実感した後でしか愛されていると信じることができないとウィニコットはいいます」

養子になった子供は、愛されるだけでは不十分なことも多く、憎まれていることを実感した後でしか愛されていると信じることができないとウィニコットはいいます。 苦しみを深く味わった子供は、拒絶されたり無視されたり、捨てられた過去の投影があり、憎悪と…

なぜ「ひきこもり」経験者が自らを「宇宙人」「外国人」のようだと感じるようになるのか

しかし、これらは単に自己評価の低さや羞恥心として説明がつくものではなく、彼らの感覚はいくら取り繕ってもそれを拭うことができないような、自己の存在に深く根付いた違和感であると考えられる。T さんと E さんの「変人」という言葉や、筆者が面接を行っ…

マイケル・バリント オクノフィル やたら早足のオタク

こうしてみるとオクノフ ォリックな世界とは、いくつかの対象と、対象と対象とを 隔てる恐ろしい空っぽな空間とでできている世界である。 オクノフィル(オクノフォリックな人)の人生とは、対象から対 象へと渡り歩く人生であり、渡る中途の空っぽな空間の…

「このやり方で、外的な対象や外界の価値あるものは、全て自分の一部か、自分によって万能感的にコントロールされるものであると感じる。」

自己の理想化は、理想的な対象とその属性の万能感的な投影同一化と取り入れ同一化によって維持される。このやり方で、外的な対象や外界の価値あるものは、全て自分の一部か、自分によって万能感的にコントロールされるものであると感じる。 in and out progr…

自己愛の病理としてのニーチェ

という見方ができるのでは 理想化転移の対象としてワーグナーを求めていたとかね

ナルシシズムと体格

ナルシシズムの話になると心理的な面ばかり注目されるわけだけど、ナルシシズムが防衛のためにあるとすると、幼少期に虚弱体質だったりして体格的に劣る人(例えば三島由紀夫など)の方がナルシシズムの病理に陥りやすいということはないのだろうか?

【メモ】オットー・カーンバーグによる自己愛性パーソナリティ障害の特徴

① 自己概念が非常に肥大しているが,他者から愛され賞賛されたい欲求も過剰である。劣等感を示す者においても, ときどき自己が偉大 ・全能であるという感情や空想が現れる。 ②情緒が分化しておらず,喪失した対象への思慕と悲しみの感情が欠けている。他者に捨てら…

「抑うつ反応を体験出来ないことが自己愛パーソナリティの基本的な特徴である」

自己愛パーソナリティの主な特徴は,誇大性grandiosityや極端な自己中心性にあり,優越感と劣等感が互いに影響し合わずに共存している.他者の賞賛と是認を得るのにとても熱心で,他者を心要とするのに, 人を利用し搾取するだけで,本当に他者に依存できない.所有…

「弱いものに蹴りを入れる:抑うつ的不安に対する暴力的防衛」ロビン・アンダーソン

『現代クライン派の展開』収録 9 弱いものに蹴りを入れる:抑うつ的不安に対する暴力的防衛 ●ロビン・アンダーソン 現代クライン派の展開 - 株式会社 誠信書房 漫画家の方の山田花子の作品(『からっぽの世界』?)の中で、作者自身のこのような願望(弱いも…

「残酷さと心の狭さ」エリック・ブレンマン

『現代クライン派の展開』収録 乳児は一般的に部分対象としての母親から全体としての母親と関わるようになり、それを取り入れるが、その過程で理想的対象の喪失を経なければならない。その時「理想的乳房」に固執することで、理想的でない乳房を攻撃してあく…

ストーカーの分類

執着型は、自己愛性パーソナリティ障害傾向がストーカー化の因子となりやすい。同様に、一方型は、統合失調症や妄想性障害などにみられる被害妄想的思考、求愛型は、広汎性発達障害傾向、破壊型は、反社会性パーソナリティ障害傾向が因子になりやすい。この…