2024-01-01から1年間の記事一覧

【メモ】ウィニコットの「偽りの自己」、フィリップ・K・ディック『ユービック』

何か似ていると思いませんか? 一方,偽りの自己の組織化は,「ある特定の環境の失敗に対して.個人がその失敗状況を凍 結することによって自己を防衛」 (1954b邦訳 p177強調は著者) している側面をもち,これは正常で健康なことと考えねばならない。それは本当の自…

「力動心理療法の危機」

確かに 1970 年代の後半から、自己愛性の傷つきに対する敏感性の高い統合失調症や行動 化の激しい境界例に対する治療展開を基盤に、精神分析療法から精神分析的心理療法への 展開には画期的なものがあった。しかしその展開はさらなる発展をしているのか。当…

強迫性パーソナリティ 意識の上では従順だが無意識的には反抗的

真面目で良心的で正直でやる気があり勤勉だが扱いにくいと定評がある。意識の上では従順なのだが、無意識的には反抗的である。 in and out program | 【強迫性パーソナリティ】 アメリカ大好きなのに英語の習得は拒む日本人、みたいな…

コフートの「自己の凝集性」・「自己の断片化」と、ラカンの「鏡像段階」・「寸断された身体」

この自己愛的脆弱性と関連して Kohut (1971, 1977, 1984) が使用する概念に自己の「凝集性(cohesion) Jというものがある。 Wolf(1988)によれば,この概念は比喰的なものであり,自己(self) という構造の構成要素がまとまりと調和を保っていることを意味し…

クリストファー・ラッシュ 移行対象の破壊

ラッシュは、確かに現在のアメリカ経済のテクノロジーは、基本的な生活必需品を十分にいきわたらせ、そして今や広告によって消費者の欲望をかきたて始めるところまで来たが、そこに生まれた消費文化は、物質に支配された文化、あるいは物質主義ではないとい…

三島由紀夫とコフートの理論

何か関係ありそうじゃないでしょうか 自分では十分俗惡で、山氣もありすぎるほどあるのに、どうして「俗に遊ぶ」といふ境地に成れないものか、われとわが心を疑つてゐる。私は人生を殆ど愛さない。いつも風車を相手に戰つてゐるのが、一體、人生を愛するとい…

買い物依存症の精神分析

中村うさぎさんに見られるようなタイプの買い物依存症って、精神分析方面の言葉で言うと、買う前は理想化され輝いて見えていた商品が買った後には脱価値化されゴミにしか見えなくなる、ということになるのかな。

ロバート・バートン『憂鬱の解剖』 和訳PDFファイルへのリンク

「ロバート・バートン『憂鬱の解剖』第1部 第1章 第1節」 https://kpu.repo.nii.ac.jp/records/4169 「ロバート・バートン『憂鬱の解剖』第1部 第1章 第2,3節」 https://kpu.repo.nii.ac.jp/records/4185 ロバート・バートン『憂鬱の解剖』第1部 第2章 第1節…