2023-02-01から1ヶ月間の記事一覧

【抜き書き】『〈死の欲動〉と現代思想』トッド・デュフレーヌ

精神分析という中立的な鏡が眩暈を起こすような姿見となり、かつそうでつねにありつづけ、『エクリ』とフロイトの夢の本が旧約、新約の聖書なのであるとすれば、ラカンもフロイトも精神分析的な大義という集団(心理的な)効果において完全に断片と化した主…

加藤敏『職場結合性うつ病』 ハンス・アスペルガー クラーゲス

筆者は現代社会自体が、人間にそなわる自然な感情(情動)と直感を排して、量と論理をなによりの思考の基準とする「操作的思考」が優位になっている点で、アスペルガー症候群に親和的な布置をもっていることを、ハンス・アスペルガーの原典にあたりながら最…

ゲイブ・ブラウン『土を育てる』で紹介されてたホームページ

Sustainable Agriculture Research and Education - SARE https://www.sare.org

マゾヒスティック・パーソナリティ

・臨床像 苦しんだり不平を言ったり自己破壊的であったり自分の価値を低くみたりする態度を強調し、自分の痛みを通じて他人を苦しめようとする無意識的願望がある。母性は本来、マゾヒスティックで、若い個体の幸福を優先する。単に痛みを好むことを意味して…

強迫性パーソナリティ

①認知的防衛ー 感情というものを子供っぽさ、弱さ、コントロールを失うこと、秩序の崩壊、不潔なものと結びつけて価値下げし、感情、身体感覚、ファンタジーを苦手とする。忙しさによって感情を避け、自分の優しい面は不安と恥を伴わずにはおえない。 in and…

「禁止」を解除することの危険性とニーチェの狂気

もう一つ,「自己啓発セミナーの危険性」論文を紹介しておこう。この論文 が「主体の他者依存性」概念のもつ批判力を表現しているからである。自己啓発セミナーは,親との関係で獲得し内面化した道徳的禁止や理想が心理的問題を生み出していると考える。だから…

「境界例は拘束を嫌う」という話と、ひたすら「自由」を求めつづけたウィリアム・バロウズの寂しい晩年

林公一『境界性パーソナリティ障害 患者・家族を支えた実例集』 という本に「境界性パーソナリティ障害の人は強く『自由』を求めるが患者にとって『自由』は有害になる場合が多い」というようなことが書いてあったような… 自分こそ彼(彼女)の治療者になろ…

境界性パーソナリティ障害っぽい人が減少している(ように見える)理由

いや、「本当に減ってるのかよ!」というツッコミはあると思うのですが、減少しているという前提で話を進めると、 しかし21世紀に入ると,境界性パーソナリティ障害(BPD)を外来で見かける機会が急に減ってきました。入院患者数も,減少したと言われていま…

太宰治『桜桃』 D.W.ウィニコット『人間の本性』

・躁的防衛 健康な発達に必要なことは、ある種の真面目さ、自己について疑いをもつこと、黙想に浸る時間を必要とすること、一時的に希望のない局面に陥りやすいことなどがある。抑うつは潜在的で、人格の中核にあり、ある種の真面目になる能力として表面化す…

モラトリアム・アイデンティティ拡散症候群としての陰謀論者

モラトリアム(アイデンティティ拡散症候群)とは下記のような精神病理の症状がある。 ①「自分は…である」という社会的自己(アイデンディティ)の選択を回避し、際限なく決着を回避する心理状態に取りつかれる。 ②過剰な自意識にふけり、全能で完全な無限の…

ズルズルベッタリの状況追随主義 藤田省三

(1) ズルズルベッタリの状況追随主義からの切断 日本の天皇制社会の原理は、人間社会が自然世界と公然と対立せず、国家が家や部落や地方団体と公然と対立せず、公的忠誠が私的心情と公然と対立せず、全体と個が公然と対立せず、その間のケジメがないまま…

ビョンチョル・ハン『疲労社会』 肯定性の過剰 コンビニ

ハンによれば、「疲労の本質的な理由は、肯定性の過剰」である。ただ、この肯定性は本来の言葉の意味ではなく、現代世界の攻撃的な基本的特徴として理解されるべきである。可能性が多過ぎることと絶え間なく肯定することは、疲弊させる。現代人は今や自分が…

【メモ】「パラノイアの精神分析的研究 : ’せいにする’ことをめぐって」

以上、本論文は、パラノイアの妄想形成の機制において、自分自身の攻撃的な感情を他者に投影して、人の’せいにする’というメカニズムがこれまで強調されてきたが、その逆に、何でも自分の’せいにする’という自責、罪悪感が、被害的関係妄想の核心にあること…

日本人とギャンブル

日本で公認されているギャンブルに胴元〈親〉が負けることもあるブックメーカー方式のものが一つもなく(ですよね?)、〈子〉の間で配当金を奪い合うパリミチュエル方式のものばかりであるのに、ギャンブラーである〈子〉たちは何の文句も言わずに従ってい…

リセット願望

Erikson(1959)は、境界例の人が自身の “ 同一性 ” が不確実な状態に陥ると「自我は、感 覚上の伴侶であると同時に、自己の連続的な “ 同一性 ” の保証人である他者との融合のなかで、 性的、情愛的な感覚に自分の身を委ねる柔軟な能力を喪失し突発的な虚脱…

【メモ】「ロシア人の日本人分析」(とされている文章)

出典不明 ロシア人の日本人分析 ・外国の批判に傷つけられやすい国民性。外国人からの風評に過敏に反応し、動揺しやすい。 ・諸外国を一つの「外」に見立て、また常に1国VS1国で見る。海外の国々を「ひとつ」に 単純化するため、互いが互いに対立する複数…

グローバル資本主義の精神分析 -貨幣欲望と死の欲動-

死を回避し排泄物のうちに不滅の生命力を託そうとするこの願望が、 〈死の欲動〉に支配された〈生の欲動〉という神経症を生み出すのである。「死を受容しえないということは、死が、あらゆる正常な動物にとって生であると同時に死でもあるという現実から、皮…

『悪について』エーリッヒ・フロム トランプ現象

極度にナルシシスティックな集団は、自己と同一視できる指導者を強く求める。集団はそのナルシシズムを投影し、指導者は称賛される。強力な指導者に服従する行為――これは深層心理では共生と同一視される行為である――によって、個人のナルシシズムが指導者に…

>もし「憧れ」から理想化の距離が失われたとしたら、憧れは純粋の羨望へと変化し、その関係は崩壊の危機に瀕する。

❝もし「憧れ」から理想化の距離が失われたとしたら、憧れは純粋の羨望へと変化し、その関係は崩壊の危機に瀕する。❞憧れの病理-いわゆる「境界例症例」を巡って 鈴木國文https://t.co/FJTAkus811近頃、「憧れ」が「純粋の羨望へと変化し」た末に起きたように…

「養子になった子供は、愛されるだけでは不十分なことも多く、憎まれていることを実感した後でしか愛されていると信じることができないとウィニコットはいいます」

養子になった子供は、愛されるだけでは不十分なことも多く、憎まれていることを実感した後でしか愛されていると信じることができないとウィニコットはいいます。 苦しみを深く味わった子供は、拒絶されたり無視されたり、捨てられた過去の投影があり、憎悪と…