【メモ】「パラノイアの精神分析的研究 : ’せいにする’ことをめぐって」

 以上、本論文は、パラノイアの妄想形成の機制において、自分自身の攻撃的な感情を他者に投影して、人の’せいにする’というメカニズムがこれまで強調されてきたが、その逆に、何でも自分の’せいにする’という自責、罪悪感が、被害的関係妄想の核心にあることを示したものである。さらにそれが因果性の思考を歪曲し、妄想を生み出すことをも示しており、’せいにする’という機制を通じて、パラノイアにおける感情と思考の障害についての統合的な理解を可能にしたものであって、学位の授与に値するものと考えられる。

 

パラノイア精神分析的研究 : ’せいにする’ことをめぐって

http://gakui.dl.itc.u-tokyo.ac.jp/cgi-bin/gazo.cgi?no=212296