日本人

ズルズルベッタリの状況追随主義 藤田省三

(1) ズルズルベッタリの状況追随主義からの切断 日本の天皇制社会の原理は、人間社会が自然世界と公然と対立せず、国家が家や部落や地方団体と公然と対立せず、公的忠誠が私的心情と公然と対立せず、全体と個が公然と対立せず、その間のケジメがないまま…

日本人とギャンブル

日本で公認されているギャンブルに胴元〈親〉が負けることもあるブックメーカー方式のものが一つもなく(ですよね?)、〈子〉の間で配当金を奪い合うパリミチュエル方式のものばかりであるのに、ギャンブラーである〈子〉たちは何の文句も言わずに従ってい…

 全能はずされ憤怒

被害者が、いじめられるのを拒否すると、多くの場合、加害者のほうが、このような「態度をとられた」ことに、独特の被害感覚、屈辱感、そして激しい憤怒を感じる。そして、全能の自己になるはずの世界を壊された「被害」に対して、復讐をはじめる。このよう…

樫村愛子「映画表現に見る現代社会の危機--ノワールとポストコロニアル(2)」よりメモ

『キッズ・リターン』以降、 北野武が創造する空間は、「移行空間」へと変わる。いきなり新しい対象や世界を構成することは、日本の文化や社会の中に「大文字の他者」および象徴的世界が不在であり不可能ゆえ、移行空間を設立するのである。『HANA-BI』の同…

中井久夫『私の日本語雑記』

ところで、家庭内の夫婦の会話や圧倒的上位の人の目下への日本語には聞くに堪えないものがしばしばある。日本人の言葉は自分の手のうちに入った弱者には別人のように乱暴で過酷になる嫌いがある。「聴き手としての世間」 がいないところだからだろうか。とす…

安岡章太郎『文士の友情』

繰り返して言うが、吉行や私たちにとって、戦争は特殊な時代ではなかった。というより“戦後”は戦時中に準備されていたものだ。例えば戦後民主主義といわれるものは、アメリカ占領軍によって与えられたものに違いない、しかし民主主義の根にある平等観は、何…

「まずは多数派の意見について行きます!」……N国代表が体現する時代精神

N国・立花代表のこれまでの発言のなかで私が感心したのは、「NHK打倒」という党是以外の自らの政治姿勢についてに聞かれて、「まずは多数派の意見について行きます!」と答えたというものである。なるほど、この立花の発言は「時代精神」を見事に体現してお…

芝伸太郎『日本人という鬱病』

シュルテは「自分の治療した鬱病患者の大半(九〇パーセント近く)が(健康時のみならず)病相期においても本質的には宗教に対して無関心であった」と述べている。さらに、彼は「元来それなりの宗教心を持っていた者でさえ、病相期にはその関心を失うような…

「原子化した個人」でいっぱいのインターネット

私化した個人は、原子化した個人と似ている(政治的に無関心である)が、前者では、関心が私的な事柄に局限される。後者では、浮動的である。前者は社会的実践からの隠遁であり、後者は逃走的である。この隠遁性向は、社会制度の官僚制化の発展に対応する。…

【メモ】日本人の模倣欲は異常

今村仁司「排除の構造―力の一般経済序説」から摸倣欲望は、社会の危機的状態のなかでその本然の姿をあらわしてくる。摸倣欲望の発動のためには、自尊心が「傷つけられる」という条件が必要である。摸倣欲望とヴァルネラビリティ(可傷性・暴力誘発性・傷つき…

創造性なき日本(おおげさ)

衝撃的だな。 pic.twitter.com/JxTBaNe9ja — 舞田敏彦 (@tmaita77) February 12, 2019 創造性や冒険心をとりもどすために日本は福祉国家を外して、自由主義が台頭したのに、ぎゃくに経営者や企業に都合のよい非正規や賃下げしかおこらず、若者はますます萎縮…

それなんて天皇制?

シーガルは、精神病にみられる具体的な志向について検討している。 正常な発達での象徴は、乳児の能力が自己と対象の差異を認識し、これらの間の橋渡しをしようとして徐々に高まるために生じると提唱した。この自己と対象の分離の認識には、分離不安を処理す…