メモ

新宮一成『夢分析』

人間になったということは、赤ん坊から見れば高い空のような、言語が飛びかう平面に躍りでたということを意味している。言葉を話せるようになったのだ、という自覚は、空に達したという感覚として登録される。空飛ぶ夢は、飛んでいる我々に、不思議な感じを…

樫村愛子「映画表現に見る現代社会の危機--ノワールとポストコロニアル(2)」よりメモ

『キッズ・リターン』以降、 北野武が創造する空間は、「移行空間」へと変わる。いきなり新しい対象や世界を構成することは、日本の文化や社会の中に「大文字の他者」および象徴的世界が不在であり不可能ゆえ、移行空間を設立するのである。『HANA-BI』の同…

「オタクたちには攻撃性―能動性はそれ自体外傷的なものとなる。」

↑樫村愛子「『エヴァンゲリオン』の文化分析」よりメモ

斎藤貴男『平成とは何だったのか 「アメリカの属州」化の完遂』

平成とは何だったのか [ 斎藤貴男 ]ジャンル: 本・雑誌・コミック > 人文・地歴・哲学・社会 > 歴史 > 日本史ショップ: 楽天ブックス価格: 1,620円 無責任の体系・立場主義 私はその話を聞きながら、梅田事件のときの刑事課長の話を思い出していました。梅田…

中井久夫『私の日本語雑記』

ところで、家庭内の夫婦の会話や圧倒的上位の人の目下への日本語には聞くに堪えないものがしばしばある。日本人の言葉は自分の手のうちに入った弱者には別人のように乱暴で過酷になる嫌いがある。「聴き手としての世間」 がいないところだからだろうか。とす…

安岡章太郎『文士の友情』

繰り返して言うが、吉行や私たちにとって、戦争は特殊な時代ではなかった。というより“戦後”は戦時中に準備されていたものだ。例えば戦後民主主義といわれるものは、アメリカ占領軍によって与えられたものに違いない、しかし民主主義の根にある平等観は、何…

「ペニス羨望」についてのメモ

McWilliams(1994)によれば、ペニス羨望という Freud, S の概念は、フェミニストからはしばしば批判されるが、実際は Freud, S が家父長制に負のイメージを持っていたために、ペニス羨望を解釈することで、男性の方が何も実際により優れているわけではない…

【メモ】日本人の模倣欲は異常

今村仁司「排除の構造―力の一般経済序説」から摸倣欲望は、社会の危機的状態のなかでその本然の姿をあらわしてくる。摸倣欲望の発動のためには、自尊心が「傷つけられる」という条件が必要である。摸倣欲望とヴァルネラビリティ(可傷性・暴力誘発性・傷つき…

【メモ】ニーチェはキリスト教を群衆の宗教と断定し、これを貴族の宗教、少数派の宗教としてのディオニュソス教と対立させていますが、

◆ニーチェはキリスト教を群衆の宗教と断定し、これを貴族の宗教、少数派の宗教としてのディオニュソス教と対立させていますが、このときほど彼が間違いを犯していることはありません。事態はまさに逆なのであって、ディオニュソス教こそは群衆のものであり、…