中井久夫『私の日本語雑記』

 ところで、家庭内の夫婦の会話や圧倒的上位の人の目下への日本語には聞くに堪えないものがしばしばある。日本人の言葉は自分の手のうちに入った弱者には別人のように乱暴で過酷になる嫌いがある。「聴き手としての世間」 がいないところだからだろうか。とすれば外国人の褒める「日本人の親切」も外国人が「客人」ゆえであろうか。

 

 「外国人技能実習制度」の問題と関係あるような…。