レイヴと宗教

精神分析的な議論から宗教を考えると, 宗教とは、人間が現在のように高い生産性によって諸衝動の充足や安定を行うことが不可能であったとき, 諸衝動の抑圧を行うと同時に、不安や恐怖を超越的な他者のもとへ回収し、 また一方では,非日常的倒錯的な幻想空間を構成して人々に享楽を体験させ充足を与えてきたものであり, 宗教は、人工的に超越的な場所を構成してそこで倒錯的に充足を確保し主体に満足を与え,主体にとって苦痛な現実認識の免除を与える保護膜を形成してきたと考えられる。 この点から考えるとき, 宗教の制度的内実は、この超越的な空間を人工的に構成しうる, 1) 隠喩的な(というのも言説自体は隠喩的な機能を介してしか統一的な世界を構成しえない) 教義, 2) 強迫神経症者においてもみられるような原初的な反復行為による儀礼などであり,これらにより、 身体的回路を通じた認識の麻痺と留保を構成し, また3) 組織的な共同性の構成であり,これにより他者への依存を通じたやはり現実認識の免除を構成すると考えられる。 この3つの要素が主体の身体的回路や他者性の回路を通して,他者を超越的に再構成し, 日常からの隔離を行って, 宗教を成立させると思われる。

「「自己決定」性の増大がもたらす宗教的「外傷」について」樫村愛子

https://leo.aichi-u.ac.jp/ic/aic/civilization21/files/conts007/kashimura.pdf

 

「非日常的倒錯的な幻想空間を構成して人々に享楽を体験させ」

「 2) 強迫神経症者においてもみられるような原初的な反復行為による儀礼

「3) 組織的な共同性の構成」

なんてところは「レイヴ」を連想させませんかね・・・。

「クリミナル・ジャスティス・アクト」や「ダンス規制」は宗教弾圧という側面もあるのではないだろうか。

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